南 慶
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まずは、情熱カンパニーに入社した経緯を教えてください。
前前職は東京の素材メーカーで海外出張もある営業をしていました。2年目くらいの頃、ストレスからか血尿が出てしまって……。精密検査を受ける中で「自分の人生、このままでいいのか」と見つめ直す機会になったんです。
妻と話し合い、残りの人生、やりたいことを思いきりやれる場所へ行こうと「移住」を決めました。趣味のサーフィンが最高の環境で楽しめる場所を探して、辿り着いたのが徳島でした。
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移住してすぐ農業を始められたのですか?
いえ、最初はキャリアコンサルタントの資格を取って、徳島市内の相談機関(ジョブカフェ)で働いていました。でも、阿南から汽車で通勤する途中、窓から見える田んぼの風景を眺めているうちに、「もっと自然を楽しめる仕事がしたい、農業をやってみたい」と直感的に思うようになったんです。
家から近くて、家族との時間や趣味のサーフィンも大切にできる「週休2日」の環境を探していたところ、情熱カンパニーに出会いました。社長と直接話し、農業体験をさせてもらったことが決め手になりましたね。
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未経験からのスタートで、現在は有機栽培(無農薬・無化学肥料)に熱心に取り組まれています。難しさや面白さはどこにありますか?
最初は農薬に対するこだわりは強くなかったんです。でも、実際に防毒マスクをして夏場の暑いハウスで散布する作業の過酷さを知り、過酷さや大変さを感じていました。
そんな時、地元のフリースクールが主催する上映会などで、環境への負荷についてなどを学ぶことがあり、「大好きな自然を守りながら働きたい」という想いが重なり、オーガニックを追求したいと強く思うようになりました。 -
実際にやってみて、どう感じていますか?
土の中にミミズを見つけたり(土壌の豊かさ)、多様な虫たちに出会ったり。自然の循環の中に自分が触れていると感じる瞬間が本当に面白いです。
もちろん、除草作業などは大変ですが、自分が納得できる方法で育てたお米やみかんを「美味しい」と言ってもらえる達成感は何物にも代えられません。
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未経験から5年目。どのように技術を身につけてきたのでしょうか。
最初は先輩方から、農業における段取りやスピード感を叩き込まれました。3年目には「菌ちゃん農法」に挑戦し、失敗も経験しましたが、それが糧になりました。
4年目からはお米とみかんの担当になり、「ブロフ理論(生理生態に基づいた栽培理論)」をベースに勉強を始めました。書籍やオンライン、さらには専門家の方と直接繋がって緻密な土壌分析を学ぶことで、知識が点と線で繋がり、今の自信に結びついています。実際、収穫量も味も全国平均より良い結果が出せているんですよ。
色んなことを学んだ上で、やはり色々直接的に教えてくださった社長含めスタッフのみんなや農業の大先輩の西尾さんのおかげと思っています。 -
東京での生活と比べて、今の満足度はいかがですか?
前職で売っていた半導体の部材などは、社会の役には立っていても、自分の生活や趣味との結びつきが見えにくいものでした。
今は、仕事で体を動かすことが趣味のサーフィンやトレイルランニングに必要な体力作りに直結しています。何より、自分で作ったオーガニックのものを食べるようになってから、本当に病気をしなくなりました。心も体も健やかになっていくのを実感していて、仕事と生活が「一蓮托生」というか、自分事として繋がっている感覚がやりがいです。
都会の満員電車で沈んだ顔をしていた頃に比べると、今は自然や人と向き合う、本当に豊かな毎日です。
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最後に、移住や転職を悩んでいる方へアドバイスをお願いします。
自分の「一番好きなこと」を後回しにしないでほしいです。
僕も以前は高所得の仕事をしていました。でも、今の現実(生活)に縛られて好きなことに踏み出せないのなら、一度自分を見つめ直して「本当に大事な価値観」を整理してみてください。
自己分析をして、自分の「好き」を軸に据えれば、生活はなんとかなるし、心が豊かになります。自分の感覚を信じて、一歩踏み出してみてください。