三好 知子
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はじめに、チーム情熱に入社されるまでの経歴を教えていただけますか?
はい。専門学校を卒業してから保育士として1年少し働いたんですが、当時の職場が少し厳しくて…。ストレスで熱も出てしまい、一度辞めてしまったんです。
その後、知り合いに「こういう所あるよ」と誘われて介護の世界に入りました。デイサービスだったんですが、そこがすごく楽しくて。一緒にゲームをしたり、遠足でうどんを食べに行ったり、ぶどう狩りに行ったり。当時は、介護保険が始まったばかりの頃で、*「生きがいデイ」という取り組みもあって楽しかったですね。お年寄りも可愛がってくれるし、「介護って楽しいな」と思って。そこから結婚などで職場は変わりつつも、トータルで15年ほど介護の仕事を続けました。
*生きがいデイとは、65歳以上で、比較的元気な方が利用できる、趣味活動やレクリエーションを通じて心身の維持向上を図るデイサービスです。 -
15年!そこからなぜ、チーム情熱(就労支援)へ転職を?
きっかけは「ヘルニア」です。前の職場で腰を痛めてしまい、激痛で立てなくなってしまって。休むと現場が回らないプレッシャーからコルセットを二重にして働き続けたら、最後は救急車を呼ぶか迷うほどの状態になりました。
手術も勧められましたが、息子の進学こともあり怖くて・・・。結局、ブロック注射とリハビリでなんとか痛みは治まったんですが、その時に「介護の仕事、やりきったな」という気持ちが芽生えていたんです。15年続けて、少し飽きてきていたというか(笑)。
そんな時に、また知り合いから「募集してるよ」と声をかけてもらって。実は、別の障がい者施設の立ち上げと、チーム情熱の2択で悩んだんです。 -
チーム情熱では、農業が中心となる作業(農福連携)ですが農業の経験はありましたか?
全くなかったです(笑)。子供の頃から花や野菜を植えては枯らすタイプで。好きなんですけど、マメじゃない。だから「農業かぁ…」とは思ったんですが、なぜかこっち(チーム情熱)に決めたんですよね。本当に「ご縁」だと思います。
入社当時は、サビ管の資格も持っていませんでしたが、「保育士と介護福祉士の経験があるから研修を受けられるよ」と言ってもらって、今に至ります。 -
サービス管理責任者(サビ管)」という仕事は、入社されるまでご存知でしたか?
全然知らなかったです。「何それ?」って感じでした(笑)。介護でいうケアマネージャーさんのようなものだと聞きましたけど、また少し違うなと感じています。
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サビ管の仕事で、一番やりがいを感じるのはどんな時ですか?
やっぱり、利用者さんの成長を見た時ですね。
入社した当初は体力も続かなかったり、なかなか作業が難しかったりした方が、「こんなことができるようになった」「スピードがすごく速くなった」「こういう所に気付けるようになった」と指導員さんたちから聞くと、もう、すごく嬉しいです。「すごいな!」って思います。
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介護の時と今とで、利用者さんへの視点は変わりましたか?
根本的には変わらないと思います。「相手のことを尊重する」という点ですね。
お年寄りであろうと、障がいがあろうと、それぞれに生きてきた人生があります。だから「この人はわからないだろう」と決めつけたり、馬鹿にしたりはしません。人として関わっている感覚です。
もともと私自身、人と関わるのが好きなんだと思います。学生時代もスーパーのレジや餃子の王将でウェイトレスのバイトをしていて、常連さんと話すのが楽しかった。その根本は、今も昔も変わらないですね。
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チーム情熱に入って今までで、特に印象に残っているエピソードはありますか?
以前、精神の障害をお持ちの方で、とても繊細で、関わり方が難しい方がいました。私が普通に言ったことも悪く捉えられてしまう。どう信頼関係を築けばいいか、本当に悩みました。
社長の伝え方を見て学んだり、自分でも勉強したりして向き合い続けたんですが、最終的にその方は辞められてしまいました。
ただ、その方が最後に「三好さんに迷惑をかけて申し訳なかった」と謝ってくれて…。それが本心かどうかはわからないけれど、私の中ですごく心に残っています。
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その経験から学んだことは?
その方との関わりを通して、「人は変えられない」ということを痛感しました。
だから私は、「私がこの人を変えてやろう」という上から目線では絶対に関わらないようにしています。そんな力は私にはないし、それは相手にも伝わってしまう。
自分で「変わろう」と気づかない限り、人は変わらない。私たちは、その人が自分で気づいて成長できるように、気持ちに寄り添って、必要な時にアドバイスをするだけ。その人の成長は、その人自身が努力した結果です。
変わらないことが、悪いことではない!現状維持を保つことも、その人が努力している結果だと思います。
その方との出会いは、私自身を成長させてくれたと思っています。「より丁寧に人と関わること」の大切さを教えてもらいました。
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農業と福祉が連携する「農福連携」の魅力はどこにあると思いますか?
やっぱり、自然と触れ合うことで得られる「開放感」じゃないかなと思います。
うちの利用者さんたちは、外での作業が本当に好きなんです。「今日は寒い(暑い)から中で作業しようか」って言うと、すごく嫌がります(笑)。
すごい暴風雨の時でも「これくらい行けるでしょ!」って畑に出ていって。多分、室内で近くに人がいる環境が苦手な方も多いんだと思います。広い畑でのびのびと作業できるのが、心地いいんでしょうね。暑くても寒くても「やっぱり情熱(ここ)がいい」と言ってくれる。それが最大の魅力だと思います。 -
今後、挑戦してみたいことはありますか?
以前から思っているのは、地域の保育園や幼稚園の子どもたち、特にその親御さんに、収穫体験などで情熱カンパニーに来てもらうことです。
障害があってもこうして一生懸命働いているメンバーの姿を見てもらうことで、「こういう場所もあるんだ」という安心や、将来の選択肢が広がるきっかけになるんじゃないかなって。
私自身、昔ヘルパーをしていた時に送迎していた障がい児のお子さんが、大きくなって(別の事業所ですが)就労支援につながっているのを見て、縁を感じたことがあって。小さい頃からこういう場所があることを知ってもらうのは、すごく良いことだなと思っています。 -
最後に、福祉や農業に興味がある方へメッセージをお願いできますか?
福祉というと、「何かをしてあげなきゃ」と構えてしまうかもしれません。
でも、そんな風に思わなくて大丈夫です。私たちも完璧じゃない。私は力が弱いから重い物を持ってもらうし、みんな苦手なこと、できないことがあって当たり前。そこを「助け合えたらいいよね」というだけの話です。
人や体を動かすことが好きなら、全然やっていけます。特別なことではなく、同じ職場の仲間として一緒に楽しく働けたら嬉しいです。